心のしっとり感
わたしの心を持ち去った罪で
あの人は裁かれればいい。
乙女の純情を踏みじった罪で
あの人は罰せられなければならない。
わたしはたくさんの時間を
あの人のことを考えるのに費やした。
その分の時間を
あの人はわたしに返さなければならない。
でも、過ぎ去ってしまった時間は
もう元には戻せない。
だからあの人はわたしに
いくばくかのお金を渡さなければならない。
そうしてくれないとわたしは…
わたしはどうかしてしまいそうだ。
涙で頬の湿度を上げるのはもう嫌だ。
しっとりとした潤いは肌だけでいいの。
心がしっとりしてしまったら
わたしはグショグショになってしまう。
いや、もうなってる。
だからいい加減、あの人はわたしに
慰謝料を払うべきなのだ。
それか、ちゃんと謝罪して
そして、その温かい腕の中で
わたしの心の湿気取りをしてくれたら…
その時はすべてを許してあげても…
──いい、かも。