2017-01-30 想 灰 届かない それはあまりにも遠く あまりにも厚い 手を伸ばしても 掴めない 声は手前で萎み 雲散する 光は淀み屈折して もう戻ることはない 芽吹き始めた命が 凍結する 穴の空いた瞳孔に 虚無が流れ込む 反射しない鏡に向かって 影が踊る もう来ることのない明日と 終わることのない昨日 止まない破裂音が 鼓膜を噛みちぎる 夜空を切り裂く 流れ星 切れ目からにびいろの光線が 大地を焼き付ける * * * 届かない それはあまりにも遠く あまりにも厚い 手を… 伸ばしても… 掴めない… …