時間疎外
己の魂を
時の支配者に
売り渡すということ
無味乾燥な
秒針の流れの中に
心の在り処を見出だすということ
それが
大人になる
ということなんですね、先生
時は魔法
魔法は時の変換
時の深層より萌え出ずる精神
存在と、時間──
ああ
哀れなりアワレナリ
己の<時>が薄らいでいく…
分刻みに
切り裂かれ
みじん切りにされた心…
心臓は
腕時計に
取って代えられてしまった
権力は
時計の時刻表示の中に
人々は<時>の失われた機械人形に──
そうして
人々は皆、時計王国の
隷属民になってしまうのですね、先生
ここには
魔法はいらない
魔法を必要とされていない
時間がすべて
精確な時刻の鼓動が
この世界のすべてなのよ
わたしもまた
時の支配者に
魂を売らなければならない
<時>を捨てて
疎外された時間の中へ
己の精神を忘却の彼方へ──
だからお願い
魂を売る代わりに
わたしに幸福を下さい
わたしの魂が
平凡な幸福と
等価交換でありますように…
心のしっとり感
わたしの心を持ち去った罪で
あの人は裁かれればいい。
乙女の純情を踏みじった罪で
あの人は罰せられなければならない。
わたしはたくさんの時間を
あの人のことを考えるのに費やした。
その分の時間を
あの人はわたしに返さなければならない。
でも、過ぎ去ってしまった時間は
もう元には戻せない。
だからあの人はわたしに
いくばくかのお金を渡さなければならない。
そうしてくれないとわたしは…
わたしはどうかしてしまいそうだ。
涙で頬の湿度を上げるのはもう嫌だ。
しっとりとした潤いは肌だけでいいの。
心がしっとりしてしまったら
わたしはグショグショになってしまう。
いや、もうなってる。
だからいい加減、あの人はわたしに
慰謝料を払うべきなのだ。
それか、ちゃんと謝罪して
そして、その温かい腕の中で
わたしの心の湿気取りをしてくれたら…
その時はすべてを許してあげても…
──いい、かも。
人生に疲れたの詩(うた)
わたしはもう疲れました。
生きることに疲れました。
いいことなんて何もない。
イイ人なんていやしない。
男なんてみんなクズ。
人間なんて皆もずく。
もずくは体にいいけれど。
わたしの体には合わない。
毎日うつでしょうがない。
課長のギャグはしょうもない。
仕事はなんだか楽しくない。
わたしの存在意義がない。
昔は魔法が使えたのにナァ…
大人になったら魔力がパァ。
とたんに魔法少女じゃなくて、
ただの女になっちゃった…。
魔法の使えぬわたしなんて
もはや単なるでくの坊。
お料理できない仕事もできない
わたしは何にもできないの!
だからこうして書き付けるのよ。
ブログを書いて焼き付けるのよ。
溜まったものを吐き捨てるのよ。
よどんだ言葉を投げつけるのよ!
でも、汚物のようなこんな文章
いったい誰が読むのかしら?
もしもここまで読んでくれたら、
本当に本当にありがとう。